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近畿産業考古学会2023年度総会行事に参加

 2023年度近畿産業考古学会の総会行事に参加しました。

 

今年の総会は、オンラインでも参加できるハイブリッド方式で行われました。リアルでの開催は4年ぶりということで、久しぶりにお会いする方もいらして楽しい会となりました。近畿産業考古学会での研究発表は、一昨年に続いて4回目。上映した作品は、出来立てホヤホヤ本邦初公開の「YAMASHINA Modernism KURIHARATEI」を上映しました。2011年に京都工芸繊維大学の笠原一人先生とはじめてお会いした時から、「今はボロボロだけど、修復作業してきれいになったらビデオをつくってほしい建築がある」というお話を頂戴していて、10年以上の時を経てようやく完成した作品です。

 

今年の研究発表は、橋本健治さんと非会員の中尾嘉孝さんから「王子公園の歴史的意義と今日的課題」というテーマで発表がありました。私の作品はその後で上映したのですが、何しろ1時間近い作品ということもあり、終了予定時刻の5時ギリギリになったことから、質疑応答はナシで、 見学会の告知のみをして終わりました。

 

栗原邸は、  5月27日(土)28日(日)6月3日(土)4日(日)の4日間、 5年ぶりに一般公開されます。5月28日と6月4日の日曜日の14:00ー15:00には、ギャラリー・トークも行われます。私も参加します。94年前に建てられた日本のモダニズム建築のはじまりの建物をぜひこの機会にご覧いただきたいと思います。

 

催事名 2023年度近畿産業考古学会総会行事

日 時 2023年4月15日(土)13:30~17:00

 

《プログラム》

特別講演 「大阪の近代長屋について」和田康由氏(元大阪市立高校建築科教諭) 

研究発表 「王子公園の歴史的意義と今日的課題」橋本健治氏,中尾嘉孝氏(非会員) 

     「栗原邸」紹介ビデオの放映 若林あかね氏

 

《上映作品》

関西の歴史建築 vol.12 YAMASHINA Modernism KURIHARATEI」(2023/57min/HD

 

《作品紹介》 京都市山科区の御陵(みささぎ)にある栗原邸は、染色家で京都高等工芸学校(現:京都工芸繊維大学)校長だった鶴巻鶴一の邸宅として1929年に建てられました。設計は同校教授の本野精吾(もとのせいご)に依頼しました。 本野は、ドイツ工作連盟が設立されて間もないドイツに留学した経験から、種機能性と合理性を追求したコンクリートブロック剥き出しの住宅を造ります。建築技師・中村鎮(まもる)によって発明された中村式鉄筋コンクリートブロック、通称「鎮(ちん)ブロック」を用いた建物は当時としては目を引く建物だったことでしょう。日本におけるモダニズムのはじまりと言えるこの建物は、DOCOMOMO Japanという組織から優れた日本のモダニズム建築として選定され、2014年には国の登録有形文化財にも指定されています。

この作品では、2011年から京都工芸繊維大学大学院の教育プログラムとして修復作業をされている笠原一人先生に、建物の歴史的・文化的価値を語っていただきました。

 

 

出    演      京都工芸繊維大学大学院助教 笠原一人

            栗原邸オーナー 医師 栗原 眞純

            (有)京壁 井筒屋佐藤 佐藤 ひろゆき 

資  料  提  供      笠原  一人

            京都工芸繊維大学 美術工芸資料館      

            栗原 眞純 

            『中村鎮遺稿』(中村鎮遺稿刊行会発行、1936年) 

            『萬年社広告100年史』 

企    画      笠原  一人

            若林 あかね            

構成・撮影・編集・製作 若林 あかね 

  

研究発表風景