1日だけのカフエーパウリスタ

移民の父として知られる水野龍がはじめた喫茶店「カフエーパウリスタ」の支店が入っていた甲陽園の洋館で、「1日だけのカフエーパウリスタ」という4時間限定のイベントを開かせていただきました。

 

催事名 1日だけのカフエーパウリスタ

日 時 2016年9月3日(土)16時〜20時

会 場 甲陽園高橋邸

 

この建物は大正8年に甲陽園を開発した甲陽土地株式会社の事務所として建てられ、1階に大阪カフエーパウリスタが開業していました。大正時代の甲陽園は、少女歌劇や遊園地、温泉、旅館、映画撮影所などからなるレジャーランド・甲陽遊園で賑わう観光地で、訪れた観光客はここでブラジルコーヒーを飲み一休みしたと言います。東亜甲陽の貘與太平、徳永フランク、山本嘉次郎、印南弘、細山喜代松監督、エノケンや浪花千栄子、漫画家の小生夢坊など映画関係者や文化人も多く訪れました。

 

建築はセセッション様式で、子供三人が並んで上れるほどの大きな階段と波に千鳥のステンドグラスが印象的な三階建ての木造建物です。竣工当時の屋根の色はモスグリーン。ハーフティンバーと下見板の色もモスグリーンだったそうです。屋根組みは洋風トラスではなく和風小屋組でした。

 

老朽化のため9月に解体されるため、お別れ会として1日だけ「カフエーパウリスタ」として建物を公開するイベントを開かせてもらいました。何と言っても広いお宅ですので、建物の見学だけでなく、3つのお部屋でパネル展示、2つのお部屋で映像の上映会も行いました。また、カフエーの再現にコーヒーとクッキーは欠かせないということで、コーヒーはUCCコーヒーさんに、クッキーはケーキハウス・ツマガリさんにご協力いただきました。

 

イベント当日は1時間前から行列のできるほどの盛況で、たった4時間だけの公開でしたのに800人を超える人々が訪れ、大正時代のモダニズム文化を空間体感し、往時を偲ばれました。

 

現在の所有者の方にお別れ会の提案したのが8月21日。

2週間を切るタイトなスケジュールではありましたが、眠る時間を削って準備をした結果、多くの人に甲陽園の歴史とパウリスタの歴史を知っていただくことができ、とても幸せな時間となりました。こ協力いただきました皆さまに改めて感謝申し上げます。