旧乾家住宅・庭園の記録映像制作

 

2015年5月、六甲山麓の環境文化を生かそう〈旧乾邸〉活用応援倶楽部の橋本健治さんからのご依頼で旧乾家住宅・庭園の記録映像を制作しました。

 

旧乾邸活用応援倶楽部は、旧乾邸の保存・活用を目的に、2004年9月より講演会や見学会の開催など住宅の活用を訴える活動をされてきた団体です。神戸市が旧乾家住宅を取得し2013年に修復工事が終わった段階で会の役割を果たしたのではないかということで、改修後の乾家住宅を映像で記録し、それをもって会を解散することになったそうです。

 

橋本健治さんは坂倉建築研究所の所長時代に大阪市中央公会堂の改修工事をされたことで有名な方で、橋本健治さんとは近畿産業考古学会で時々お会いするくらいの間柄なのですが2008年に私が改修前の旧乾邸の記録映像を制作したことをご存知だったので、今回はビフォアアフターということで改修後の映像も制作しませんかとお声がけいただきました。

 

ですので2部作というわけではないですが、改修前と改修後の違いをくどくど説明するのではない形で伝えたく、カメラマンを改修前と同じ方にお願いしました。基本的には同じアングルから撮影しているので、別のカメラマンによる撮影より違いがわかるようになっています。また、改修前の映像では様式や見所を細かく解説したので、改修後の今回は音楽とテロップのみの映像にし、観覧会などで放映しやすい内容にしました。

 

旧乾家住宅と庭園は、かつては日本一の長者村だった住吉〜御影一帯で現存している数少ない邸宅です。神戸の商船三井ビルディングや大阪船場の綿業会館、ダイビルなど数多くの名建築をてがけた渡辺節が設計しました。改修では、カーテンの柄などが竣工当時の写真の通りに復元されていました。神戸市が年に数回一般公開を行っておりますのでお出かけになってはいかがでしょうか。